rememberは「覚えている」? 「思い出す」? それとも「忘れない」?

rememberは、「覚えている」「思い出す」という意味の動詞です。
ところが、Remember me.は「私を忘れないで」と訳され、remember to doは「忘れずに〜する」と訳されます。
覚えていることと、忘れないことは、同じなのでしょうか。
それとも、自然な日本語に訳した結果、同じように見えているだけなのでしょうか。
この記事では、映画『リメンバー・ミー』、remember doingとremember to do、そしてRemember Pearl Harbor.という言葉を手がかりに、rememberが表している「記憶」の正体を考えてみます。
Remember me.の意味を考える
映画『リメンバー・ミー』。
劇中に登場するRemember Meという歌のタイトルは、どういう意味でしょうか。
Remember me.
「私を覚えていて」
「私を忘れないで」
「私を思い出して」
と、いくつかの意味が考えられます。
ただ、「私を忘れないで」だと、
Please don’t forget me.
という言い方があります。
明確に言い分けるなら、
I want you to remember me.
私を思い出してほしい。
I don’t want you to forget me.
私を忘れてほしくない。
となります。
Remember me.は、記憶の中に私を残しておいて、という肯定的な頼み方です。
つまり、動作動詞的。個人的な見解として言わせていただくのなら、命令形は「思い出して」だと思います。
動作動詞のrememberは「思い出して」
と私は考えています。
日本語だと、「私を時々思い出してね」という言葉があります。これと同じではないでしょうか?
映画を観ていないので私には最終回答は得られません。
空白を埋めヨ!
Remember my name.
私の名前を「 」。
Remember to lock the door.
ドアに鍵をかけることを「 」。
中に入る日本語はなんでしょう。
このリメンバーは、積極的で、動きのあるもの。つまり、先ほど出てきた動作動詞です。その場合、私はあくまで個人的に、「思い出す」と訳します。なので、
私の名前を「思い出して」
ドアに鍵をかけることを「思い出して」
動作動詞と状態動詞の違いが好きな私は、すぐに「「覚えている」は状態動詞だな」と思ってしまいます。
当然、ネイティブはそんなこと考えません。
動作動詞の例
Every time I hear that song, I remember my childhood.
「あの曲を聴くたびに、子どもの頃を思い出す」
Remember what happened last time.
「前回何が起きたか思い出して」
Try to remember where you put the keys.
「鍵をどこに置いたか思い出して」
どれも動作動詞です。
rememberは「覚えている」と「思い出す」をどう区別する?
動作動詞を連続して紹介してきましたが、状態動詞の例文を見てみましょう。
Do you remember me?
これは「私のことを覚えている?」で、状態動詞です。
Yes, I remember.
なら、「うん、覚えているよ」です。状態動詞です。
一方、ずっと思い出せなかったことが急に頭に戻ってきたら、
Now I remember!
「あ、思い出した!」
となります。動作動詞です。
感覚的なところが多いですが、独自見解では「思い出す」ならWill you rememberになるようなイメージがあります。
remember doingは、「覚えている(状態動詞)」と「過去の行動(動名詞)」のセット
I remember locking the door.
は、「私はドアに鍵をかけたことを覚えています」
ということで、これは、先に鍵をかけています。
remember doingの動名詞部分は、rememberより前にしたことなら、数分前のことにも、何年も前のことにも使えます。
「覚えている」は過去のことを対象にしているので、過去のことを頭に思う浮かべますが、rememberじゃなければ、動名詞は必ずしも過去のことではなく、繰り返しになりますが、「やっている状態」を思い浮かべる感じです。
I remember locking the door before I left this morning.
「今朝、出かける前に鍵をかけたのを覚えています」
I remember going down to Silicon Valley when I was staying in San Francisco.
「サンフランシスコに滞在していたとき、南にあるシリコンバレーまで行ったのを覚えています」
これは、サンフランシスコからシリコンバレーに移動した記憶を思い出しながら話しています。
ただ、単に「シリコンバレーへ行った」という事実を伝えたいだけなら、
I went to Silicon Valley.
で十分です。
状態動詞を現在形とto doの組み合わせで使うと、I remember to lock the door. になりますが、「そのドアに鍵しめるのを覚えている」となり、あまり使うシチュエーションがない状態です。なのでalwaysをつけて、習慣のことであればいいです。
I always remember to lock the door before bed.
最初の例文のように、I remember locking the door. なら、「閉めたことを覚えている」となって相性がいいのです。なので、
状態動詞→覚えている→現在形→目的語は動名詞
は相性がいいです。
目的語としてのTo doの場合は、その「やっている状態」というイメージが薄く、未来志向なので、「思い出すぞ!」とか「思い出して」といった現在形の動作動詞と相性がいいです。
to doや動名詞以外に、目的語なので名詞ももちろんOKです。それは動作動詞も状態動詞も違いはありません。
整理すると、
remember doingは、したことを覚えている ※状態的 目的語は過去
remember to doは、やることを思い出す(忘れずに実行する)※動作的 目的語は現在から未来
となります。
過去形となるとまた話が違います。
I remembered to lock the door.
英語界隈では『忘れずに鍵をかけた』という有名なやつ。
必ず鍵をかけたという意味が入っているそうです。
これは、「ずっと覚えていた」という意味も含めることができるので、状態動詞と考えることができます(独自見解です)。
なので、「鍵をかけることを覚えていた」となり、「忘れずに鍵をかけた」とも意訳できます。
つまり、過去形にすると状態動詞とto doでも、「習慣」という縛りから解放されて使えるということです。
一方、命令形ではto doと相性が良かった動作動詞「思い出す」を過去形で使うのも微妙です。
「突然、鍵をかけることをそのときに思い出した」(かけたかどうかは不明)という意味が伝えづらいのです。そう言いたいのなら、
I suddenly remembered that I needed to lock the door.
このほうがいいです。
「今から報告会に行くこと、覚えてる?」はremember to goではない
