「聴きとれているフリ」から卒業しよう。 母国語リスニング009
私自身、日本人の英語学習者として、ネイティブを前に聴きとれていないのに聴きとれているフリを何度してきたことか。
それが嫌で、自分のペースで話すことが多かった。聞き役にまわりたくないからだ。
有り難いことに、今はフンフンと自分があまり話さずに聞き役にまわることができるようになった。
前は、その「聴きとれているフリ」という現実に目を向けることなく、逃げていたように思う。
「いつか聴きとれる」と願い、英語の勉強を続けていたのだ。
だが、本を読んで記憶するような英語勉強方法で、それが克服されることは、本当の1ミリもなかった。
これは経験上の話で、私の場合は、完全にそうだった。
文法の理解も深まり、ビジネスで外国とメールを頻繁にし、国際電話で取材を毎日のようにしてもだ。
いろんなことも考えた。「話せるようになったら、自然と聴きとれるのではないか」
「単語をいっぱい覚えたら、きっと聴きとれるようになる」
どれも、まったくの間違いだった。リスニングから逃げていただけだったのだ。