「教えない」が基本のマザータング・イングリッシュ。
二人で遊んでいると突然始まる芝居。
いろいろなのが混じって、何が起こったか一瞬わからないが、なんとか付いていく父。
娘
I know you want to save your sister, but being angry and evil doesn’t even make friendship.(言ってるママ)
妹を助けたいのは知っているけど、怒ったり悪くなるのは友情にさえならないわよ。
父
What should I do?
どうすればいいんだ?
娘
And being bad doesn’t make any sense or nice sense.
それに、悪くなるのは理にかなわないし、いいこととは言えないわ。
And stealing thing is very bad. not nice.
それに、モノを盗むのはとても悪い。良くない。
And being angry doesn’t make proper confidence.
それに、怒るのはちゃんとした自信にもならない。
父
Don’t look my mind!
俺の心を見るな!
娘
You should, you know, probably take back things, and put them where they belong, and then, bring them to the persons do they help them.
あなたは、たぶんモノを取り戻して、元にあった場所に返すのよ。そして、彼らを助けた人たちに持っていって。
And maybe saying sorry to Rose make the spell break.
それでたぶん、ごめんとローズに言えば魔法は解けるわ。
父
O.K. I’m so sorry, Rose. That was my fault.
オーケー。ごめんローズ。俺が間違いだった。
娘
Did that work or not?
うまくいった?
父
Can you see my sister? Behind me.
妹が見える? 俺の後ろに。
Oh, Rose. Thank you.
ローズ! ありがとう。
娘
It’s O.K.
オーケー。
という感じで、私は『Just add magic』というドラマのあるシーンをベースに対応しているが、娘が話している台詞はおそらく、他のアニメから導入しているのだと思う。
細かいところはよくわからなかったりする。どうして「友情?」「自信?」となるが、細かいことは気にしない。
いちいち止めたり、問いただしたりは絶対にしない。これはルールだ。実際にそんなことすると、ふくれてしまう。
「教育しない」「教えない」
という私のマザータング・イングリッシュの基本で、多くの人がやってしまいがちなことだから、本当に気をつけてほしい。
実際にそういうやり方で上手くいっていないパターンも見ている。
フィンランドの「教えない教育」というのは最近まで知らなくて、衝撃だった。
教師は子どもたちに学びの場所と時間を与え、支援するだけで、マニュアルはなく、テストもない。
なのに、先進国特有の落ちこぼれの数を抑え、国際学力調査でトップクラスを維持している。
管理、支援しているのはモチベーションで、これをもっとも大事としているといい、実は日本の寺子屋にも似ているという。
厳しくすることでモチベーションを失うのが子どもで、それが最もしてはいけないことだという。
娘が英語を日本語と同時に覚えていく過程で、「教える気マンマンだったのに、無力だった。だから教えるのをやめたけど、娘は勝手に覚えていった」というストーリーを書いたが、納得できる人は少ない。インタビューでは「大変だったでしょう?」と問われ、「いや、全然です」と言っても信じてもらえない。
だから「幼児の英語教育はだめ」というありきたりの意見にもまったくピンとこない。「教育」じゃないからだ。
一緒に娘と英語を話すようになって、父親である私のモチベーションも勝手に上がっている。
フランス語を実験的にやろうと思っているのに、英語が楽しくて仕方ないので、英語ばかり聴いたり話したりしてしまう。
「教えないのなら、何をやっているのだ?」
と問われれば、「英語で話したり、見たり聴いたりするのが楽しい」という日常を作ってあげる。
父娘ともに、それだけだ。
疑問あるとすればこの部分だが、
bring them to the persons do they help them.
パーソンズというとバンド名みたいで個人的には違和感があるが、やはり少し古い言い方らしい。
パーソンという単数、個人を複数形にするのは、peopleという言い方があるので、「many people」という使い方もできる。
他にもいろいろpersonとpeopleにはあるのだが、私が教えたわけではないので、きっと娘の見ているアニメの中で誰かがpersonsと言ったのだろう。そのあとのdo they~は私の聞き間違いかもしれないし、よくわからない。それでいい。