イギリスの現在完了は完璧 couldに柔軟性あり。 002
前回、過去の推測をやりましたが、単純に現在完了を過去にすればいいのでは?
と思うかもしれません。
ですが、現在完了を過去にするのは、やはり時間の特定になります。
Do you think he’d lost a lot of money?
「彼はたくさんのお金を失っていたと思うか?」
です。
he had lost ~
は現在完了ですね。
ある部屋にシャーロックが侵入すると、ある銀行マンがベッドで死んでいました。
自殺が疑われます。
そこで、
「彼はたくさんのお金を失っていたと思うか?」
と言うわけです。
ワトソンにたずねているわけですが、まず、「~と思うか?」と現在形でききます。
そして、その後半
「彼はたくさんのお金を失っていたと」
と説明するのですが、「お金を失った」のはいつか、意識していません。
なので、まず現在完了になります。
もし彼が生きていたら、hadはhaveになります。
ですが、自殺してしまったので、hadになります。
生きている最後の瞬間、時点を意識しています。
アメリカなら、
Do you think he lost ~
でもいいのですが、日本語訳は
「彼はたくさんのお金を失ったと思うか?」
となります。
「失っていた」と「失った」では、時間の意識がだいぶ違います。
「失った」は、お金を失った瞬間。
「失っていた」は、自殺したときまでに、失っていたかどうか。
こういう表現の違いをイギリス人は絶対に間違いません。
He’d been threatened.
「彼は脅されていた」
というセリフも出てきますが、こちらも脅された時点を意識していませんが、自殺するまでにすでに脅されていたという意味です。
一方、ある会長のところに警察が来たという報告を電話で受けた人が、
「警察が来たらしいよ」
と言います。
これは、来た時間を意識していないので、イギリスでは絶対的に現在完了です。
しかも、会長は生きているので、