「It」って何? 使い方をしっかり捉えたい

Itって簡単すぎて、結局よくわかってない、なんて思いませんか。
たとえば、冒頭のItにあまり意味はなく、意味があるとすればisの部分。「だ、です、ある、いる」 という訳に。
となると、It’sを使う場合は、その次に来るものを言いたくて、冒頭にIt’sをつけるというイメージです。
例 Actually, it’s a funny story.
また、助動詞も先に動詞部分を言いたくて、決まっている状態で話すことが多いはずです。
I wanna go.
と言うときは、最初からgoを言うと決めているというわけです。
また、
make him great
といった文も同じで、決まっているので一気に言う場合が多いです。
ここでは、この考え方を土台にして、考え方→型→例文→練習までをコンパクトにまとめます。
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「It」と“先に言いたいものを置く”——英語は“順番で決める”言語
英語は言葉の順番で意味を作る言語です。とくに冒頭の “It’s …” や、助動詞・半助動詞(wanna / gonna / gotta など)は、「次に来る内容を言いたいから、まず“枠”を置く」という発想で使われます。
- “It” は「中身」ではなく器(フレーム)として先に置くことができる。
“It’s …” は「今から言う内容に注目してね」という前置き。 - 同様に、助動詞・半助動詞も動詞より先に(I wanna go / I should go)。
- “make him great” は V + O + C(目的語補語) の一気通貫型。決まっているから一息で出す。
「言いたいもの」がgoだとすると、一言でgoと言いたいわけですが、大人としては言語にするために、しっかり主語や助動詞をつけなくてはいけないわけです。だから仕方なくつけるだけで、あくまでgoを言いたいので、主語や助動詞は弱く一気に、つけたしになります。特にItはIt’sは付け足しなわけです。
同時に、他動詞と自動詞も、一気に言うかどうかの違いが出てきます。
他動詞の場合は、次に出てくる目的語が、すでに決まっているので、一気に言います。
1) “It” の正体:中身よりも枠組み
さて、Itは何なのかということですが、「Itは何かを指したりするものだ」「Itは訳さない」というのはなんとなく聞いてるはずですが、まず、Take it. のように、後半に来るのは明らかに指しているわけです。
ですが、主語になったときにややこしくなるのですが、基本的に力が弱いというのが前提です。
A. 指す it vs. ダミー/提示の it
- 指す it:すでに出た名詞・内容を受ける it
- I bought a bike. It runs smoothly.
- ダミー/提示の it(=あなたの感覚と近い “器” の it)
- It’s raining.(天気の it)
- It’s a funny story.(これから話す中身に注目させる “提示の it”)
ポイント:「意味があるとすれば is の部分」です。
It’s を頭に置くのは、次に来る名詞・形容詞・節にフォーカスを当てたいから。
B. “It’s …” のよく使う切り出し
- It’s + 名詞:話題の提示
- Actually, it’s a funny story.(=今から面白い話をするよ)
- とにかく a funny story と言いたいわけです。なので、it’s aは付け足し。
- It’s + 形容詞 + to V / that S V:評価の先出し
- It’s hard to explain.(説明が難しい=評価→中身)
- It’s obvious that he’s right.
- 完全に主語がto explainなので、itはお飾りです。
- It’s not that …, it’s just that …:誤解修正の型
- It’s not that I’m angry, it’s just that I’m tired.
- It’s because …:理由先出し
- It’s because I didn’t sleep well.
和訳のコツ:「それは〜だ」ではなく、「(これから言うことは)〜だ」と受ける。
「言いたいこと」をメインに話すと、自然とアクセントがそこにいって、ネイティブに似たものになります。
2) 助動詞・半助動詞:先に“動詞路線”を決める