「状況証拠があるcould」は推理ドラマにぴったりだ! 004

以前の記事では 状況証拠がある推理で could が使われる という話をしました。
しかしホームズの原作を読んでいると、実は could よりも might がよく出てくることに気づきます。
なぜでしょうか。
結論から言うと、理由はとてもシンプルです。
探偵は断定を避けるからです。
推理ドラマでは could より might が多い?

まず、実際の作品から見てみます。
Sherlock Holmes
The Sign of the Four
(『四つの署名』)
前回も紹介しました。この物語は、失われた財宝をめぐる事件です。
ショルトー少佐という人物の死をきっかけに、宝の地図や秘密の過去が明らかになっていきます。
事件の推理を進める場面で、ホームズはこう言います。
It might have driven me mad.
意味
「それは私を狂わせたかもしれない」
ここでは might have + p.p. が使われています。
これは
「そうだった可能性がある」
という推理です。
つまりホームズは
「こういう説明も成立する」
という候補を出しているわけです。
The Adventure of the Speckled Band
(まだらの紐)

ホームズ短編の中でも最も有名な事件の一つです。
女性が「夜中に奇妙な笛の音を聞いたあと姉が死んだ」という相談を持ち込みます。
ホームズは屋敷の構造を調べながらこう言います。
“There might be a ventilator.”
意味
「通気口があるのかもしれない」
このあと実際に通気口が見つかります。
つまりこの might は推理の途中の仮説です。
The Adventure of Silver Blaze
(白銀号事件)

競走馬が失踪し、調教師が殺された事件です。
ホームズは犯人の行動についてこう推測します。
“He might have gone out in the night.”
意味
「彼は夜に外へ出たのかもしれない」
この時点ではまだ証拠がなく、
ホームズは 可能性の一つとして提示しています。
The Adventure of the Beryl Coronet
(緑柱石の宝冠)
銀行家の宝石が盗まれる事件です。
息子が犯人だと思われていますが、ホームズは別の可能性を考えます。
“There might be another explanation.”
意味
「別の説明があるかもしれない」
これは推理小説で非常に典型的な might です。
つまり
「まだわからないが、別の仮説が成立する可能性がある」
という意味です。
The Sign of the Four
(四つの署名)
ホームズはこう言います。
“It might have been poison.”
意味
「毒だったのかもしれない」
この段階ではまだ死因がわかっていません。
つまりこれも 仮説の提示です。
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