母国語を習得するプロセスと、第二外国語として学ぶプロセスの大きな違い。002
相手から、1パターンだけ受け取る
母国語として外国語を習得するのに、もっとも大事なのは物まね能力だと何度も書いてきた。
発音をそのまま真似するだけではなく、感情的なもの、つまり抑揚や声色も含めての真似だ。
そういった抑揚、話し方をまるごと真似することが大事だが、なぜそれが大事なのかをすぐには理解できないはずだ。
英語ネイティブの話し方は千差万別、トーンも抑揚もことごとく違う。それなのに、たまたま目の前にいるネイティブや、動画で話している人の抑揚まで真似する必要があるのか。
答えは、ある。
母国語での初期習得時は、母親や父親から話しかけられるが、そのトーンや抑揚を真似し、現場の状況から意味を推測していく。
そして、その内容をそのまま真似する。
This is a car.
と、おもちゃの車を指さして母親が言った場合、まず子どもはそのまま真似をする。応用という考えはない。
だから最初は、This is a という文がcarのためだけに用意されているかのように、This is a car. を覚える。
抑揚、イントネーション、アクセント、すべて含めて覚える。
その情報量は大きく、次におもちゃの車を見たときに、全部を真似して、This is a car. と言う。
ジュジュイジュアカー
みたいな赤ちゃん言葉になっているかもしれない。
そうやって、シチュエーションごとに1つ、一人の人間から一つずつ言い方をまるごと覚えていく。
I can do it if you want.