マザータング式現在完了003 「今に繋がっている」とは何のことなのか?

「アクションを起こした時点から、今までが繋がっている」と説明される現在完了。
「繋がってるってどういうこと?」という疑問を中高生にばらまいている。
完了用法は繋がっていないことを説明したが、他は果たしてどう繋がっているのか。
Eatという言葉を使って、他の用法の日本語訳を見てみよう。
今の状態が大事な結果用法は日本語では「食べ終わっている(食べている)」となる。
経験用法では「食べたことがある」、継続用法では現在完了進行形になり、「食べ続けている(食べている)」となる。
この中で「今に繋がっている」のは、結果用法と継続用法だけだ。
結果用法は「食べているから(食べたから)、でかけよう」という使い方で、「今は食べ終わっている状況だから」という意味になる。
「食べた」という行為よりも、「今、終わった状態である」ことを強調している。
He have gone to Tokyo. も結果用法で、「東京に行った状態」であることを強調している。
そういう意味で、今に繋がっている。
継続用法は日本語で「食べ続けている」で、「大好きなあの店のハンバーガーを3年間食べ続けている」という感じで使う。
断続的に食べていて、今日や昨日食べたかどうかは知らないが、今もそのつもりであるので、今に繋がっている。
継続で「ずっと思っている」という場合は、状態がずっと今に繋がっているので、まさに今に繋がっている。
完了用法と経験用法は継続のような現在への繋がりはないが、どうして「今に繋がっている」と現在完了がひとくくりで語られてきたのか、一応理由はある。
理由はあるが、「アクションが今に繋がっている」という意味ではないことをしっかり認識した上で聞いてほしい。
現在完了のそれぞれの用法における、時間の使い方を紹介する。
完了用法 最近のイベント(今からそれほど離れていない過去)
結果用法 最近のイベント(今からそれほど離れていない過去)
経験用法 生きている間のイベント(今を含む)
継続用法 今を含む期間(~以来、~間)
時間の表現はこのように、完了と結果が似ている。それ以外は、今を含む時間を使う。「今に繋がっている」は、この「今を含む時間」という意味でも共通点があるのだ。
一方で、完了用法が持つ「最近のイベント(今からそれほど離れていない過去)」という約束事は少し違う。
「今を含む」ではなくて、過去は過去なのだ。
ただ、それほど今と離れていない。