Rの二重母音を極めると楽しいと思います。 001
俳優さんたちに向けて英語でのオーディションや芝居での発音指導をするなかで、もっとも指導すべき要素となるのがRの発音です。
単にRをどう発音するかではなく、どう使うかという視点から指導しています。
このサイトでも以前紹介したWormの発音とWarmの発音の違いや、二重母音として比較したりしています。
そこで、私が捉えているRの考え方と、一般的に、たとえば学術的に考えられているRの考え方の違いを紹介したいと思います。
まず、ここで考えるのはbird, work, learnといった場合で出てくるRの発音です。
発音のコツとして、
「子音のあとに、すぐにRを伸ばす」
という方法を指導しています。
後半に来るRは日本語でいうアの音なので、bはバに、wはワになりますが、そのあとすぐにRの音を伸ばすという感じです。
この方法を知ったときは、耳で聞いてRの音ひとつなのに、どうして二重母音なのだろう? と思ったことがあります。
そこで、Rの二重母音の代表、arとorを見てみましょう。
こちらは明らかに二つの音が存在します。
erも二重母音とされているのですが、「eのアとRの音を同時に伸ばす」ということらしいです。
一瞬、ちょっと謎の表現ですね。。
まずarです。
HeartやFar、Car、Art、Start, arm, card, hard, partは、
どれもarという二重母音(/ɑɚ/ )で、アの発音のあとにRをつけて完成します。誰が聞いても明らかに、ア~ア(R)という音になります。
orという二重母音は、それをオにするので、オ~ア(R)という発音(/ɔɚ/ )になります。
例はStore、Warm、Port、Award, born, for, corner, torn, more
になります。
他にRの二重母音はpairのエーア(/ɛɚ/)やbeerのイーア(/ɪɚ/)、poorのウーア(/ʊɚ/)もあります。
Bird, Work, Learnに出てくるerは、これら二つのような、最初の母音が伸びる要素がありません。子音のあとはずっとRだけが伸びているのです。
【ER】【IR】【UR】