マザータング式現在完了012 現代完了は、限定された時間を示さない。

現代完了は、限定された時間を示さない。
話し手、聞き手の意識として、「いつ」それをやったのかはどうでもいい場合がある。
「もう宿題やってるの?」と母親が訊くとき。
答えるほうも、何時にやったかを答えるのではなく、「やってるよ」と答える。
これが現代完了のフィーリングだ。
この完了用法で「アクションを起こした時が今に繋がっている」と教わると、本当に混乱してしまう。
ネットにもそういった説明があふれていて、中高生は頭が混乱しているはずだ。
「宿題を終えた過去が今の時間に繋がっている」というファンタジーな説明は本当にややこしい。
でも、「まだしてないけど、するかもね」という完了用法のニュアンスは、「やった。もうしない」という過去形のニュアンスとは明らかに違う。
また、現在完了をひとくくりにするなら、共通点は「いつ」を限定しない言い方だということ。
これがまず大事だ。
次に、使うときの仲間分けを、従来の継続・経験・結果・完了から離れること。
継続の言い方は、「ている」系代表で、現在形で状態動詞の「ている」の仲間。
それを、「ずっと~している」と言いたくなったときに使う。
現在進行形は、動作動詞を「状態」にするために進行形にしたもの。「食べる」→「食べている(状態)」となる。
isなら今のこと、wasなら過去で、「いつ」を限定した場合。
これを、「ずっと~している」と言いたくなったときに、現在完了進行形にする。
また、継続は大きくわけて未完了なので、完了の現在完了とは大きく違う。
他はすべて「動作が終わった」という過去の時間の気分で話す。
動作動詞の過去形、現在完了完了用法、現在完了結果用法、現在完了未完了時制、現在完了経験用法はすべて、アクションが終わっている。
過去形以外の現在完了完了は、「アクションが終わった状態」とも言える。
結論として、継続と完了は全然違うと理解する。
日本語を勉強中の外国人に、「『もう食べて(い)る』と『今食べて(い)る』は、どちらも進行形ですか?」と聞かれたら、どう答えるだろう?
これに上手に答えることができれば、現在完了はクリアだ。
「同じ言い方だけど、『もう食べて(い)る』は進行形じゃなくて、英語の現在完了完了と同じだよ」と答えるといい。
現在完了が「状態」「終わった状態」だとわかったら、
I’ve got a pen. ってなんだろう?
なんていう初期の疑問も、わかってくる。