一語一語で理解するときにぶつかるitの壁

英語のItを甘く見ると会話が成立しない。

たとえば、

Consider A + B + that ~

のような文。

Consider A + Bは、「BをAと捉える」という意味だが、Aにitが入る場合、「Bをそれと捉える、考える」という意味になる。

「それ」って何のことだろう? と日本人は語順として考えるが、

Consider it + B + that~

となった場合、that以下がA(it)となる。「Bをthat~と捉える」という訳になるのだ。

そのとき、itは省略されずに残っていたりする。

なので、日本人としては最初に出てきたitは何のことだろう? となってしまうのだ。

でも英語のルールとして、このitは思いっきり無視しなくてはならない。

あくまで形式的な目的語なのだ。

同じように、

Take it to be B that ~

という文もあり、これもitを無視する。内容はconsiderとほぼ同じで、もしitの部分が名詞だったら、that以下はいらない。

that以下は文章になる。

つまり、Aの部分が一つの名詞ではなくて、文になる場合にこの形式的なitになるのだ。

後半に文章のthat以下があるときに、itが省略されずに残っているという「形式主語のit」は、文法の勉強で触れたことはあるはずだけども、それはあくまでテスト対策。

実際の生活でのこのitは、しっかり理解していないと混乱を招く。

takeやconsiderでitのあとにBが来て、thatが来たら、すぐ「that以下をBと捉える」という頭に切り換える。

何度も自分で使って身につけるしかない。

It’s fine.

のときにit’sが訳されないことと、上の目的語のitには共通点があると思う。

訳されないけど、略されない。

そんなitがあるのだ。