実生活で使える「if」を学ぶ方法 文法から学ぶと使えなくなるifの秘密 001

ifは実際に生活の中で使おうとすると、迷うときがいくらでもある。
教わってきたifは複雑で、勉強に対応できても、実際に使えないのだ。
何が問題で、どうすればいいのか、母国語としての習得をヒントに紐解いてみよう。
ifを幼児が最初に使うとすれば、たとえば
I (will) take it if you want.
といったシンプルなものだ。
親は
You can do it if you want.
といった使い方をよくするので、こういった使い方を真似する。
ifにはさまざまな使い方があるが、幼児期はif you want的な使い方ばかりをするので、まずはそれを会得する。
「欲しかったら、○○だよ」というパターンだ。
この使い方の場合、ifのあとは現在形を使う感覚も自然と理解する(直接法などと考えない)。
文法的には、「副詞節だから現在のこと、未来のことは現在形にする」と云えるが、子どもはそんなことは考えない。
そして、しばらくたってから、学校で習ったあの仮定法を使い始める。
If I were(wasでもいい) a bird,
というやつだ。
子どもは本当に、「プリンセスだったら、○○なのにな」みたいなことを言う。
I could fly if I were a bird.
娘の場合だが、wereとwasの違いは適当で、couldを最初から使えていたかは覚えていない。
ただ、ここで最初のif you want. との大きな違いは、過去形を使うことだ。
日本語では、「だったらなぁ」の部分で、これによって「現実と違う」というニュアンスも把握する。
また、強引な解釈かもしれないが、「もし」から「もしも」のニュアンスの違いもある。
過去形にすることで、「もしも」が入ってくる。
この「もしも」のif以下には、幼児としては「時制はない」と捉えている。
wereは過去という意味はなく、単に「現実ではない」という意味で、日本語でも同じだ。
「だったら」という言葉に、現在も未来もない。
そこで、「もしもにそこにいたとしたら」と言いたいときに、
if I were there. と表現するとする。これは、未来のことでも現在のことでもいいし、強引に言うと過去のことでもいい。
I would do that if I were there. (もしそこにいたとしたら、やるだろうね)
だが、日本人としてはここで迷ってしまう。
迷うポイントは、
ifのあとに現在形を使うべきか、過去形を使うべきか
未来、現在、過去、どう使い分けるのか
というところだ。
実生活や会話で使ってみると、そういう壁にぶち当たる。
今自分がいおうとしてることは、どっちのifなんだろう? と。
この混乱を収束させるためには、こう考える。