小学校の日本語教育と英語の関係 ロジカルな会話

小学校の日本語教育と英語の関係 ロジカルな会話

0歳から日本人の父親と英語で育った娘は、日本語より英語を先に話し出したので、小学校入学までは若干の英語優位状態。

それが入学して1年が経ち、だいぶ日本語が勝ってきたように思います。

同級生の友達に日本語の単語を教えてもらったり、読み書きの授業によってだいぶ変化がありました。

正直、入学前は英語にしろ日本語にしろ、読むのも説明するのも苦手だと、親としては感じていました。

それが、1年経った今は、感情を込めて上手に読めるようになりました。小学校教育のおかげです。

不思議なことに、日本語教育の邪魔をしないように控えていた英語のリーディングも、日本語と同じように感情を込めて上手に読めるようになりました。

たしかに、入学以前は読む練習をやってはいましたが、1年間、ほとんど手をつけていません。

あんなに頑張って教えていたときはできなかったのに、今ではすっかり上手に。

いったいどういうことなのか。

どうも父親としては即効果のある方法を教えたくなり、それができないと「うーむ」となったりしますが、そもそも年齢が上がること自体も能力が上がることだし、小学校で毎日勉強するという環境も今までとは違うし、日本語が上手くなると英語も上手くなるというのがあるのかないのか…。

そんなことを考えたりしているのですが、『出口式 はじめての論理国語』はやっぱり凄いなと思うことがたびたびあります。

子どもの国語教育は今後クリティカル・シンキングという自らの頭で多角的に問題を考えて結論を出す方向性に向かうそうで、そのために欧米ですでに行われているような論理的な技術を教えていくもの。

大人としてはそもそも「論理(ロジック)」って何だろうと思うのですが、これが確かに英語で考え、話す際にしっくりくるのです。

本に書いてあるのは、まず4つの柱。

・イコールの関係

・対立関係

・因果関係

・文の要点(主語・述語・目的語の関係)

だそうです。

イコールの関係というのは、具体と抽象をイコールで結んで説明すること。

「ゆうた君は野球部で4番で足が速い。つまり、彼はスポーツ万能だ」

という文です。具体的な事象と、スポーツ万能という抽象はイコールで繋がっていて、こうすることで説明が明快になるということらしいです。

対立関係というのは、「私のテストは100点だった。しかし、彼は50点だった」というパターン。

因果関係は「お腹が痛い。だから病院に行く」というもの。

文の要点は、主語述語に必ず文の要点が来るというものです。

それぞれ使う言葉として、

イコール=つまり、たとえば

対立関係=だけど、一方で(それに対して)

因果関係=だから、なぜなら

となり、英語では上から

It means, for example

but, although, on the other hand, however, nevertheless

that’s why, because, so

という感じです。

これらを使うことで、人は論理的に説明ができるということらしく、英語圏ではbecauseをしっかり使える人がロジカルだと評されると書いています。

しかし出口先生によると、小学校低学年の子どもたちは抽象が苦手らしく、ロジカルな対話はまだできないようなのですが、それを日常会話で親が使うと、どんどん覚えていくというのです。

おかげさまで、小学校1年の間に、この方法で英語の会話を娘と積み重ねました。

何かを娘が言っても、必ず私が「Because」と言って次を促します。

すると私にも変化があり、必ずではないですが、こういった言葉を使って英語を話したり考えたりするようになりました。

1文で終わるのではなく、2文くらいで構成される感じです。

こんな簡単なのでもそうです。

「取れるから大丈夫」

と日本語ではリズムに乗って簡単に言えます。これを英語にすると、

I can take it, so it’s OK.

日本語だと「取れる」「から」「大丈夫」という二つの事柄を結びつけて1文のように言いますが、英語だと

I can take it

It’s OK.

を別々に言ったりするときがあるはずです。

でも、このロジックな方法を繰り返し、I can take itだけど、それで何なんだというところまで言おうという思考回路になり、二文を結びつつ言いたくなるのです。

イコールは、「あれってああーだよね、でもここはいいんだな。んーつまり、ここが完璧ということだな」という感じで、とりとめなく具体を話して、話ながら答えを見つけて、結果としての抽象を述べるというとき。

対立はAlthoughやEven thoughが最初から仕組みとして頭に浮かんでる感じが理解できました。正直、意識しないと使えないのがこの二つ。

でも、「○○だけども、いいよね」とか、「○○なのに、おいしいね」とか、エンディングまで意識していると使える。そういう話し方ができるようになりました。

that’s why, because, soについては、娘は小さいころからよく使っていて、すでに問題はないように思えます。

私は意識的に使う量を増やして、今に至ります。

日本人としては当たり前にやっているように思えますが、必ずしもそうとは言えない気がする論理的な対話法。

そもそも英語を学んで話すときに、何から話せばいいのだろうとか、なにか途切れ途切れでしっくり来ないと思っていたら、このロジックな方法が役に立つかもしれません。

何かを言いたいときは、ロジックを使うということ。

最後に、主語と述語が文の要点である。という部分は、まさに英語の翻訳で使われている手法です。

何を主語にするのかは、どんなときでも重要だということですね。