世界の言語は音と語順で成り立っている 001
根拠(basis)を実際の会話から得ると、2つの大きな要素を掴むことになる。
ひとつは、英単語の音と、イメージ(動機、感情、物の画像など)が直接結びつくこと。
もうひとつは、英語の語順だ。
どの世界の言葉も、基本構造はこの二つで成り立っている。
たとえば、言語はそれぞれ、音が違う。物や動詞などのイメージや意味は、それぞれの言語の音と直接結びついている。
だから、言語を学ぶときには必ず覚えなくてはならない。
次に、語順のルールが違う。語圏で分けられるときに共通点はあるが、日本語と英語で考えると大きく違う。
だがルールはシンプルで、直感的だ。だから、言語のシンプルなルールを根拠にして覚えることで、話せるようになる。
シンプルな例で示してみよう。
目の前に黒い物体がある。クルマでも服でもなんでもいい。日本語で考えると、「それは黒だ」となる。
英語では
It’s black.
物について、「○○だ」と言いたいと思うことは世界中の誰にでもある。
英語においては、It’sのあとに言えばいい。
誰でも知っていることだけども、それが語順だ。
母国語として話すときには、it’sのあとに黒のイメージを頭に思い浮かべる。そのイメージとblackという音が結びついて、口に出す。
それを瞬時にやれるのが母国語だが、プロセスとしてはそうで、it’sのあとに黒という日本語を思い出して、黒という音からblackを導き出してはいけない。黒のイメージを頭に浮かべたとき、それは話したい、伝えたい、言いたいという動機があり、イメージがある。
ここではそれを感情とまとめているが、そういうものがまず必要となる。
もしテレパシーが使えれば、blackと口に出す必要もない。イメージを相手に送ればいいのだ。そうやって会話は成り立つ。
でも実際はできないから、そのイメージをblackという音に置き換える。それで本当に成立する。
音は、イメージを伝えるための記号のようなものだ。
そう考えると、動機がある時点でイメージがあり、違う言語を話す人たちが集まったとしても、共有できるものがある。