英語の過去形の時制を使いこなすために「状態」を学ぼう
先日、ある英語の本を読んでいて気になったのが、過去形に関する考え方です。
著者の方は、「過去形は過去のある時点(はっきりとした過去)と、ぼんやりした過去がある」と書いていました。
しかし、基本的には「はっきりとした過去のある時点」を指して使うのがルールのはずです。
どうして過去形にも「ぼんやりとした過去がある」と著者の方は思ったのか、これは、状態動詞と動作動詞という違いを含めて考えないと解けません。
たとえば、「住んだ」という言い方をするチャンスはなかなかないですが、
「そのころ、私は東京に住んだ」と言いたい場合と、
「そのころ、私は東京に住んでいた」と言いたい場合があります。
「住んだ」は「住む」という動作の過去形です。
「住んでいた」は「住んでいる」という状態を表す動詞の過去形です。
Liveは、そのどちらも持っている珍しい動詞なのです。
「ぼんやりとした過去」というのはまるで現在完了のようです。
現在完了は「はっきりとした過去のある時点」と一緒に使えません。
その動作をはじめた時期について、「無関心」だからです。
「住む」の動作動詞を進行形にすると「住んでいる」になります。
現在進行形も、「はっきりとした今」という時制になるので、
英語の「今、私は東京に住んでいる」は、動作動詞の延長として使えます。
同時に、状態動詞の「住んでいる」も使えます。
動作動詞は進行形にすることで状態化するので、意味はほぼ同じになります。
過去形においては、基本的には、はっきりとした時制がある場合に使い、そうではない場合は現在完了を使います。
Liveの場合は、
「3年前、東京に住んでいた」と言いたい場合、
I was living in Tokyo.
が動作動詞の状態化で、
I lived in Tokyo.
が状態動詞。
どちらも、状況を表しています。
著者の方は、この使い方を「ぼんやりした過去」と表現したのですが、あくまで、「3年前」といった、ある時点での状態のことを言っているので、ぼんやりしていません。