英語を母国語として身につける

伸び縮みしないcan’tと、伸縮するcan   「伸ばすのはcan’t」は間違い

私が考えていたcanとcan’tの発音の違いは、当初

キャンとキャーン(ト)という感じで、伸ばすと否定だという雰囲気だった。

実際、

I can do that.

I can’t do that.

では、前者がアイクンで、後者がアイキャーンと長さが違いわかりやすい。

また、アメリカ英語ではtは呑み込むのでdoの前に少し間があるし、canには強調がないのに対し、can’tは少し強調する。

単純にいうと、クンがcanでキャンがcan’tだ。

それはわかりやすくていい。

ただ、canとcan’tはそれだけではない。

次に言葉が続かないときがあるのだ。

ある日娘に、あることに対して「本当にできるの?」と訊いたら、少し怒って

アイキヤアーーーン

と言ってきた。伸ばしているので、否定かと思ったら、I canだった。

 

実は、I canで終わる場合(I said I can)はクンよりも長い普通のcanになる。

アイキャーン。

日本人としては、canの最後のンと、can’tのtを呑み込んだ音の違いを聞き分けるのは難しい(アメリカ英語)。

実際には違うので手がかりにはなるのだが、最初は「何が違うのだ?」となる。

 

しかし、それでも違いを聞き分ける絶対的な答えはある。

ないわけがない。

答えはただひとつ。

「I can’tの音の長さは変わらない」だ。

I can’t do that も、I said I can’tも、長さが変わらない。

発音はアイセッダイキャーンッ。

素直に発音すると、ヌのあとにtを言おうとすると、舌の場所が同じなので、自然と呑み込んでしまう(リダクション、ボーカルコードストップ)。

でも間としての音はしっかりある。

正しくそうやって発音すると、絶対に伸ばすことも短くすることもできない。

最後に置かれる場合でも、canよりも長くなることはないのだ。

 

違った言い方をすれば、canは伸縮する。

I can do thatをアイキャーンドゥーダッとはあまり言わず、アイケンドゥーイッが普通。

一方で、最後に来る場合はアイセッドアイキャーンと自然に伸ばして言ったりもする。

この場合はcan’tより少し長くなるし、娘のように答えるときにアイキャアアアアンともっと伸ばして言えたりもする。

ポジティブにリラックスして言っているのでこうなるのだ。

 

 

私は「伸ばすのはcan’t」という考え方で長い間過ごしてきた。

その間違った認識は、「アイケンドゥーダッよりも長いから」という理由だと思う。

他にも、多くの日本人指導者は曖昧に「雰囲気」と言うが、たしかに最後のcanはストレスがないので伸びるわけで、完全に間違っているともいえない。

また、わかりやすく言ってくれる人は、答えのI canはcanでイントネーションが上がる感じが顕著であり、I can’tは下がっていく。すべてI canはストレスがないので、イントネーションが上がったり音が伸びたりするということだ。

 

正しい答えは、「伸び縮みしないcan’tと、伸縮するcan」。

 

 

ネイザライズ(アメリカ英語)

 

さらに高度に考えれば、厳密な音の違いを追究できる。

音で考えると、「canはいつまでもcan」となる。

キャンという明瞭な発音は、日本語のカタカナに近い。これはCan you ~? や答えのI canも同じ。クンじゃない場合は、明瞭なカタカナのキャンだ。分割するとキ(ク) ア ンとなる。

一方、can’tはいつでもネイザライズ(nasalize)といって、鼻音になる。

猫がギャーと言うような鼻声で、キャンと言う。tはリダクションで「ン」になる。

リダクションは正直、canと同じに聞こえてしまう理由になるので、邪魔だ。

でも、ネイザライズ現象はこのn’tのおかげで起こる。

だから、このネイザルサウンドを聞き分けることができれば、can’tがわかるということにもなる。

 

また、Iに強勢が来るか、canもしくはcan’tに強勢が来るかで違いがあるという話があるが、実際はさまざまなパターンがあり、一定していない。

アーイキャーンと言うときもあれば、アイキャンもあるし、アイキャーンもある。

ただ、I can’tはアイに強勢が来ることはあまりない。

 

最後に、

I can’t either. の場合はtがラ(アメリカの場合)になり、アイキャンリーザーになる。