推量のcouldの精度を高める
口語での推量のcouldは「かもしれない」と訳してきましたが、本当にそうなのか、もっと精度 …
昔の映画になりますが、ディザスタームービーとしては有名な『タンデズ・ピーク』。
火山噴火をテーマにした作品ですが、そのセリフから気になる使い方をピックアップしてみます。
このサイトでは何度か指摘してきたとおり、セリフの直感的な理解には一語一語を順番通り、感情で繋げるように理解し、使うことです。
同時に、主語と述語という関係をまず第一に理解すること。
その観点からいうと、繰り返しでしつこいですが、こんな文の理解が重要です。
Harry says the mountain could blow any minute.
Harry says はSVなので、それ以降の節を見てみます。
主語 the mountain
述語 could blow
以下が any minute
という感じです。
個人的なフィーリングとして、まずこの文を読んだときに、couldを推量の「ありうる」の感覚で捉えました。
理由は、山であることかもしれません。
実際、仮定法のcouldが会話に出てくることが多く、見分けは難しいですが、仮定法のcouldには「できる」という意味が含まれるのがヒントです。
山が「できる」という言い方をするのは完全否定はできないものの、あまりないと判断して、couldが推量だと判断しました。
瞬時にそういったいろいろなことを考えるのではなく、山とblowの関係性から直感的に思ったということです。
ということで、訳は「ハリーはまもなく山が爆発するはずだと言っている」です。
読んで訳するのは時間があるので簡単ですが、上からリアルタイムで訳するには、一語一語、感情を絡めたフィーリングが大事です。
もうひとつ。
They will be handed out at the door on your way out.
一見、なんのことを言っているのかわからないかもしれないですが、まず
will be
について、リアルタイムにどう捉えるべきかを考えたいと思います。
would be
は推量で「~だろう」だと説明してきました。
それが現在形になると、
「~なります」「これから~です」
という感じになります。
確実に、こうなります。 というイメージです。
そのイメージを使ったまま、読み進めます。
be handed out
couldやcould beの推量の難しさについて随分と触れてきましたが、その現在形である
can be
はどう捉えればいいのか、考えてみたいと思います。
can be は比較的メジャーというか、取り上げられているほうなので、Web上でも解説があると思います。
そこでは、
「可能性がある」
という訳が当てられていたりします。
このサイトでは、
could=「かもしれない」「可能性がある」
と紹介してきました。
どうしてcouldにもcanにも「可能性がある」が使われているのでしょうか?
この問題を解くために、ドラマ『ストレンジャー・シングス』のシーズン4のセリフを使ってみます。
スティーブという男性がビデオショップの店員をしていて、そこに仲間たちが集まっています。
急いである男性を探さなくてはいけないのですが、スティーブが素敵な女性の客の接客に時間をかけてしまいます。
それを責められて、スティーブは言い訳をします。
スティーブ
I attend to all customers equally,
babes and non-babes alike.
We’ve got a very big selection in here.
It can be super overwhelming for people.
ロビン
It can be.
訳は、※オフィシャルの訳ではありません
スティーブ
「どのお客にも平等に対応する。可愛い子でも可愛くない子でも」
「ここには本当にいっぱいビデオがあるから、人にとっては圧倒される○○」
ロビン
「○○」
最初の「圧倒される」のあとに入る言葉を一般的な英語業界の感覚で紹介すると、
「圧倒される場合がある」(Google)
「圧倒される可能性がある」
という感じで、だいぶ確信のある推量が入るはずです。
そういった言葉よりも、ぐっとその雰囲気やフィーリングを出す言葉があります。
それは、
いつのまにかストレンジャーシングスのシーズン5が決まっているとのことで、シーズン4の1から …
もし私が小学生に英語を教えるなら、「目を見て話そう」と教えます。
0歳から娘とやってきたのは、お互いに目を見て、自分の言ったことが伝わったかどうか確認しながら話すこと。
ものを掴んで「あー」と言ってこっちを見てきたら、「おー」と反応する親。親が「touch your head」と言ったら、じっと目を見てくる娘。
少しずつ言葉になっていくと、
I want it!
と言いながら、父親の反応を見る娘。
そんな風に、自分の言ったことが伝わったかどうか、確認しながら会話は学んでいきます。
今言ったことは伝わったかどうか。それを毎回確認しているのです。
聞いている側も、しっかり反応します。
うなずき、表情、言葉などです。
すべてが言葉だけで理解しあえるようになると、目と目を見ないでもコミュニケーションが取れるようになるかもしれませんが、この「確認しながら言葉を試していく」という感覚が会話習得のコツだと私は考えています。
実際に、私が教えている生徒にこの方法を試すと、なぜか会話がスムーズに進むようになります。
何も言わずに「英会話をしよう!」としても、「試しに言葉を出して確かめてみる」なんてことはしません。自分で答えの文章が見つかるまで、ずっと悩んでいるのです。
相手に伝わったかどうかも、確認しません。
私の英語が伝わったかどうかも、誤魔化したりします。
すべてが真逆なんです。
「今の通じた? おー、通じた。よし、次行こう!」
これが正解です。
聞いてるときも、通じなかったら困った顔をするべきです。
「今のわからんかった」
と伝えるべきなのです。
私は俳優さんたちに英語を教えているので、この目で確認しながら話すというのを、芝居ですることは上級テクニックだと捉えています。
たとえば英語の脚本を読むときは、正直文字を追っているだけなのです。
ですが、芝居となるとそうはいきません。
相手の目もしくはカメラを見て、確認し合っている様子を演じなくてはなりません。
通じたか通じていないかは、すでに物語としては決まっているのですが、それも知らないかのように演じる必要があります。
面白いのは、これが独り言でも同じ方法が使えることです。
自分に確認するように話しかけると、心と感情のこもった英語になるのを確認できるはずです。
上から順に読みつつ、前の意味をホールドしながら読み進めていくのが母国語英語。
こちら、結構難しいですが、チャレンジしてみてください。
上から順に読みつつ、前の意味をホールドしながら読み進めていくのが母国語英語。
脱毛について語るノーラ・エフロンです。
as for waxing what I like to call my bikini, it has become but a brief episode in what the fashion magazines refer to as my beauty regimen,
まずはGoogle翻訳で分けてみます。
as for waxing what I like to call my bikini
私がビキニと呼んでいるもののワックスがけについては
it has become but a brief episode
ほんの短いエピソードになってしまいました。
in what the fashion magazines refer to as my beauty regimen,
ファッション雑誌で私の美容法と呼ばれているものは、
最終的なグーグル翻訳は
「私がビキニと呼んでいるものにワックスをかけることについては、ファッション誌で私の美容法と呼ばれているものの中ではほんの短いエピソードに過ぎません。」
謎だらけですが、まずbut。
これは「ほんの~だけ」という副詞。
なので、「ほんの短いエピソード」で正解です。
次に
refer to as
こちらは、
「~という」
で、あるものを名前をつけて呼んだりする場合に使われます。
She is referred to as Google.
という感じです。
次に、
in what
ですが、
a brief episode in that.
で、
「それの中で短いエピソード」となるように、what以下が「~もの」となっています。
自分で上から訳してみて、なかなか難しい文章だとは思いますが、最近のグーグル翻訳はすごいですね。
I’m in awe of the women I know who have magical haircuts that require next to no maintenance.
この文章はどうでしょう。上から読んですんなり理解できるでしょうか。
I’m in awe of the women I know
は、「私は知り合いのある女性たちに畏敬の念を抱いている」です。(aweの読み方は あ~)
この意味を抱きつつ、
who
に突入します。
who have magical haircuts
日本語に訳して理解する方法ではまだしも、ネイティブと同じように上から理解していく方法でnot unlessを理解したり、使うのはなかなか難しいです。
漫画『シャーロック』にも、not unlessを使ったセリフがありました。
I don’t think Eddie Van Coon was the type of chap to buy himself hand soap, not unless he had a lady coming over.
冒頭部分は「彼が自分でハンドソープを買うようなやつだとは思わない(マザータング訳)」です。
not unless以外の部分は
「彼に来るような女性がいれば」で、最終的に
「彼に女性がいれば別だが、彼はハンドソープを買うような男じゃない」
という意味になります。
もう、結構わけがわからなくなっています。
そこで、unlessについて考えてみましょう。
unlessは、「~でない限り」です。
unless you run
で、「走らない限り」です。
ここで使うと、「女がいない限り」となります。
not unlessは否定の否定かもしれないので、そうであれば、
「女がいる場合に限り」
となるはずです。
でも違うのです。
Cover would have been perfect.
001でcouldの推量の使い方について話しましたが、こちらはwould。
ワトソンが「密輸してたのか。損を埋めるにはうってつけだ」というセリフを言います。
こちらも仮定法の訳ではないようです。
「カバーは完璧になったろうな」が仮定法の訳で、実際には起こってないことを言います。
一方、推量では、起こっただろうことを言います。
「カバーは完璧だったに違いない」
日本としては、仮定法と同じ、
「カバーは完璧になったろうな」
でも間違いありません。
これだけ推量で使われると、仮定法の立場もありませんが、mayのかわりにこれだけcouldやwouldが使われるというのはしっかり覚えていたほうがよさそうですね。
最後に、シャーロックから例文をもっとひろってみましょう。
No-one’s been in that flat for at least three days.
Could have gone on holiday.
「少なくとも三日は家に誰もいないな」
ネットフリックスに登場した新ムービー「アグリーズ」。
16歳になると皆、美男美女に整形するという未来の話です。
そこで出てきたのが
It’s a time suck.
というセリフ。
suckは比較的カジュアルで、なにか失敗したときに独り言で
Sucks!
と呟くのが定番ですが、suckの意味自体は「吸い取る」「奪う」といったイメージがあるので、time-suckは時間の無駄という意味になります。
ついでに、こんなセリフも見てみましょう。
Just because you’re Ugly doesn’t mean you gotta be slow
この、Just becauseですが、使い方は
「〜だからといって、〜とは限らない」
です。
なので、
「醜いからといって、ゆっくりしなきゃならないとは限らない」という訳になります。
この場合は、
doesn’t mean
がセットになります。
「〜というだけで」という訳にもはまるので、
Just because you’re ugly, you don’t need to go there.
「醜いというだけで、そこにいく必要はない」
という使い方もできます。
他にも「アグリーズ」には魅力的なセリフがたくさん出てくるので、楽しみましょう!
娘は現在小学校5年生。
特に英会話学校には通ってはなく、オンラインの英会話を月2回やっています。
相変わらず書きが苦手で、私としても特にアプローチはしていませんが、読みは昔から得意なので、活字の英語本もたまに読んだりしています。
英語版の漫画『働く細胞』が好きなので、最近漫画シャーロックを買い与えましたが、まったく興味を持ってくれません。謎。
昔から、幼稚園のころから彼女のリスニング能力には驚かされてきましたが、こないだも国際ニュースを私が観ていると、同じ部屋で宿題をしていたので、
「勉強しているときも英語の意味は入ってくるの?」
と聴いたら、「多少入ってくる」というので、同時通訳的なことをやってもらうと、見事にこなしていました。
専門用語はわからなくても、大まかな意味をどんどん日本語にしていきます。
まともな英語学習をしたことがないのに、同時通訳ってなんやねん・・・と脱帽してしまいました。
それから、遊びとしてたまに同時通訳しているのですが、こないだ、日本のバラエティー番組でやってみました。
すると、案外苦手。
一方、私はなぜかスラスラと同時通訳ができる・・・。
これも謎です。
日本語から英語への変換は、私のほうが得意だったのです。
本当の原因はわかりませんが、私の場合、やはり昔から第二外国語として勉強してきたせいかもしれません。
娘は二つの言語を同時に習得しているので、訳したりする習慣はないはず。
でも英語から日本語は得意。日本語から英語はちょっと苦手。
要は、スピーキングがリスニングよりも少し劣っているのかもしれません。
まあでも、これから同時通訳遊びをしていれば、そのうちできるようになるでしょう!
自動詞と他動詞を難しく考えない
英語の自動詞と他動詞という考え方は早いうちに教わりますが、テスト対策としての自動詞・他動詞はなかなか難しくて苦労されたのではないでしょうか?
ここでは、実際に使うネイティブ感覚としての自動詞・他動詞に着目します!
イギリスのオーディション番組でとにかく明るい安村さんが「I’m wearing!」と叫んでました。
日本語で「大丈夫です。パンツはいています」を直訳したのですが、この芸を繰り返すうちに、会場が「Pants!」と返すようになって、定番になりました。
予選のときに審査員が言って、それが事前に放送されていたようです。
安村さんは単に「I’m wearing!」という英語が合っているだろうと最後まで考えていたかもしれません。
ですが、これがまさに自動詞・他動詞問題。
wearは、他動詞なんです。
他動詞というのは、次に目的語が必ず来ます。
なので、wearと発音したら、もう気持ちは次の目的語に向かっているのです。
一つの単語から、次の単語へと感情を繋げていくというのがこのサイトでの英語の考え方ですが、まさに他動詞がそれです。
そのため、wearで終わると、ネイティブにとっては非常に気持ち悪いのです。
だから審査員は、