英語モード 004 最後の秘訣
独り言、つまり相手がいない場合は、固有名詞を口にしたり、思い浮かべる必要はありません。 親 …
数年前まで、仕事で海外に行くことが多かったので、一ヶ月まるごと英語モードになったり、モードのチャンスは多くありました。
でも今はまったくそういった仕事はないので、自分で作るしかありません。
オンライン英会話等もやっていません。
ある生徒に、「独り言でいいから、思考も含めて英語で考えて、呟いてみてください」と伝えると、会話をしているときに比べてまったく言葉が出なくなったりします。
それほど、英語で考えること自体が高いハードルですが、「やってみよう」と思ったときにはできるようにしたほうがいいと思います。
それでも言葉が出ないのは、たとえば伝える必要がないのに、その名詞を思いだそうとしたりしているようです。
会話じゃないので、itやthatといった代名詞でいいはずですが、そのクセ自体がないという感じです。
itやthat、somethingを使いながら、自分の考えているモノや名前を頭に浮かべる行為自体をあまりやっていないのかもしれません。
独り言を話す上でのポイントをまとめてみます。
ポイント
・恐れずに言葉を繋ぎ、先に文章を組み立てない (即興替え歌のイメージ)
・自分の言っている言葉に反応する
娘といるときに、「軽くやっても大丈夫だから」的なことを言おうとした。
If it’s light(easy), it’s OK.
みたいな感じで言ったのだけど、すかさず娘からツッコミが。
If you wanna say that, even if, right?
私は一瞬、「あれ、そうだっけ?」となった。
考えてみると、
even if
は、「もしそうだとしても」というニュアンスで使ってきた。
I’m OK even if it’s rain. 雨だとしても大丈夫。
という感じだ。
今回のは、「軽くやっても大丈夫だから」。
It’s OK even if it’s light(easy).
なるほど。
「○○しても大丈夫」と言いたい時の「ても」は、even ifなのか。
つまり、形容詞や動詞の時に、「美しくても」「動いても」と言うときがあるけれど、これはeven ifなのだ。
「もし美しいとしても」なら、今まで通りの自分の使い方でわかるけれど、「美しくても」でもいいのか。
名詞の場合は、「赤でも大丈夫」。このときだ。
もし、私が言ったようにif(条件節)にすると、
It’s OK if it’s red. 赤なら大丈夫。
になってしまう。
訳的には微妙だけど、たしかにニュアンスが違う。
少し堅めに言うと、「もしそれが赤ならば大丈夫」となる。
言いたいのは「赤でも」なので、その場合はeven ifなのだ。
「もしそうだとしても」として認識していたeven ifは、それはそれで使いやすい。
「もし赤だとしても」「もしそれが高いとしても」という感じで、違和感がない。
でもこれは仮定法的な意味合いになる。
もっと簡単に「〜ても」で使ってよかったのだ…。
まとめると、even ifは仮定や妄想だと思っていたけれど、直接法の条件節のような使い方もできるのだった。突き詰めると仮定法的なんだけどれども、日本語で「使っても大丈夫」というときに、仮定だとはあまり意識しない。「もし使ったとしても」という感じでまでは考えない。
「使っていいよ」のニュアンスに近い。
たぶん、今までは
It’s OK to be red.
みたいな言い方をしていたのかもしれない。
※今年の更新は今回でおしまいです。また来年お会いしましょう!
Revelation
さっそく見ていきましょう。
The revelation of something is the act of making it known.
A revelation is an interesting fact that is made known to people.
上から読んで理解しましょう。
The revelation of something
何かのリヴェレーションは、
is the act of
行為です。
making it known.
それを知らせる
A revelation is リヴェレーションは、
an interesting fact that 興味深い事実です
is made known to people. 人々に知られる、知らされる、宣言する
ということで、revelationとは、日本語で「啓示」です。
make it known to ○○ that で、○○にthat以下を伝えるという使い方になります。
最初の一文は、「何かの啓示は、それを知らせる行為です」。
次が「啓示とは、人々が知らされる興味深い事実です」。
「知らせる」が受け身形になって、「知らされる」になっています。
「啓示」はなんとなく宗教的な意味を感じますが、やはり「キリスト教などで神が示すこと」という意味もあるようです。
最初に、母国語的なリスニングについて話します。
まず、生まれた子どもが、親から聞く言葉についてどのように受け取るかを考えてみてください。
意味がわからず、ただの音として耳に入ってくるはずです。
そして、その音はアメリカ英語ではリンキングされています。
言葉と言葉が子音と母音で繋がります。
繋がってチャンク(塊)化した言葉を最初に音として聞きます。
その中にどのようなワードが入っているかは、最初はわかりません。
一方で、勉強から英語を学ぶ我々は、単語一つひとつから学び、発音も一つひとつ覚えます。
ある程度のリンキングも覚えます。
そして、英検やTOEICは、その程度のリンキングでリスニングができるように出来ています。
また、英語講師もそういった優しい発音を教えます。
英語も日本語と同じように、フォーマルな場所での発音と、友人同士の発音では違いがあり、「おはようございます」と「はよーござーす」くらいの差があります。
もし「ござーす」的な発音を外国人に教えてしまうと問題があると考えるので、しっかり「おはようございます」と教えます。
英語も同じです。
そして、ビジネスの場やしっかりとした場で使える発音を覚えて、いざアメリカに行くと、まったく聴きとれないという自体になります。
「こんなに勉強したのに、私には英語の才能がない」と挫折します。
これは、英語を覚える順序、矢印が違うために起こる悲劇です。
外国語として言語を学ぶとき、リスニング、リーディングはとても楽です。
用意されたものを読むからです。
この場合、単語を聴いてから理解してイメージが湧くので、話すときの順序と違います。
ライティングも「書く」という時間があるので、少しテクニカルになります。
残念ながら、この3つの勉強方法は、たくさんやると満足感があります。
この方法だけで20年も30年も「英語を勉強しています」を続けることができます。
身体拡張的な、サイキック的な、先に「意思」「感情」がある話し方というのは、軽視されがちです。
指導では、なるべく舌先を上あごの奥のほう、喉に近づけるように伝えます。日本語では舌先がほとんど前後に移動せず、前歯の裏あたりにあるので、これをまず歯の上の裏側、少し出た部分でT、D(L)の発音をします。
それでまあまあ良くなるのですが、慣れていないのでそのうちだんだん前に出てきます。
それを防ぐため、少し出た部分のさらに奥、喉側に舌が常にあるような状態にキープしてもらいます。
慣れていないと舌の筋肉が弱いので、疲れます。
でも、Rはそこからちょっと舌を下げると完成なので、実はとても楽です。
単語の後半にあるter、tterといったR母音で終わるものは、息を吐ききった最後に来るので、tの発音がDやLの音に変化しますが、そのときの舌の動きも特長的で、その動きが常に会話中の基本動作になっているといっても過言ではありません。
じゃあどういう動作かというと、文章ではなかなか伝えられません。
pやbの破裂音についてもう少しお話しします。
Then put the water in.
○プッダ ワーラー イン
×プット ダ・ワーラー イン
could have beenとwould have beenの違いは何?
というのをもう少し掘り下げて考えたいと思います。
I could have been killed!
は、「殺されたかもしれなかったんだぞ!」です。
前回述べたとおり、日本語としては「できたかもしれない」「○○せたかもしれない」「○○れたかもしれない」という感じで、あくまで能力ではなく、一時的に可能だったかどうかを述べています。
受け身ではない場合は、「食べれたかもね」「試せたかもね」となり、「れた」「せた」の部分にcanの要素が入ります。
「れた」「せた」を抜くと、「食べたかもね」「試したかもね」になります。
wouldはまさに、「れた」「せた」を抜いた状態です。
ハーレーダビッドソンが新型ナイトスターを紹介する英語を読み解くと、いろいろなコツが見えてきました。前半部分の会話から英語圏特有の話し方について見てみましょう。
動画では、開発陣3人がナイトスターを囲んで話し合っています。
With any Harley Davidson, the engine is the heart of the motorcycle,
どのハーレーも、そのエンジンはバイクの心臓だ。
Withからはじめるという話し方です。このあとも続きます。
and with Revolution Max, Pan America and with Nightster, we’ve taken that really literally.
そして、レボリューションマックス(新型エンジン)とパン・アメリカ(新型車)、ナイトスターについて、私たちは本当にそれを文字通りに捉えている。
We started with the engine, the frames bolt to the front, subframes bolt to the back,
and that’s what creates the motorcycle.
私たちはまずエンジン作りからはじめた。フレームは前に固定され、サブフレームは後ろに、そしてそれがバイクを想像するものです。
We’re delivering this powertrain with a brand new displacement.
我々はまったく新しい排気量をパワートレインに用意した。
この部分の言い方は、with aまでを一気に言って、brandからまたはじめます。
なのでwith aはウィッザーとなります。
So, 975cc, variable valve timing, a downdraft air intake system that really helps this engine deliver torque, deliver power,
and seeing it finally come together is pretty exciting.
それで、975ccの可変バルブ、トルクやパワーをもたらすダウンドラフト・エアインテイク・システム、そしてそれが最後に一緒になるのを見るのはとてもエキサイティングだ。
There’s nothing on this bike that doesn’t need to be there.
このバイクに必要がないもの(無駄)は何ひとつない。
The soul of this motorcycle is gritty and rebel and raw.
このバイクのソウルは、反抗、ロウ(生、カスタム前の状態)、気骨といったものです。
ーー
And so that’s where we get some of these cast looking finishes and really pull some of the surfaces forward and backwards.
そしてそれが私たちが得るこれらの鋳物のような仕上がりがあり、実際に表面の一部は前や後ろに向けて引っ張られています。
And that’s how we play with your eye and give it visual interest.
それで、視覚的な興味を与えて、目で楽しむことができるというわけです。
The Revolution Max has a really interesting combination of all that technology, all that performance, the power, the torque,
but at the same time, it’s got all the craftsmanship that comes along with being built at pilgrim Road, here in Milwaukee.
レボリューションマックスは、そのすべてのテクノロジーやパフォーマンス、パワー、トルクの興味深いコンビネーションがあります。同時に、ミルウォーキーのピルグリム・ロードで組み立てられることで得られるすべてのクラフトマンシップを持っています。
実際に自分が使うときに、
all that technology
という使い方をするでしょうか。思わず、
the all ~と言いたくなりませんか?
英語ではall that~で、「のすべて」という言い方をしたいときに使います。
これは、thatを関係代名詞として捉える場合で、「技術のすべて」という訳になります。
また、 that comes along with
は、「ついてくる」「進む」「はかどる」という意味です。
it’s got all the craftsmanship that comes along with being built at pilgrim Road, here in Milwaukee.
という言い方を実際の英会話で出来るでしょうか?
thatを使った関係代名詞、withのあとにbeingを使った受け身。文法解釈的には中級でも、実際に使うとなると高難度です。
The weight of the new Nightster is 485 pounds.
新ナイトスターの重量は485パウンドです。
ハーレーはアメリカなので、485をフォー・ハンドレッド・エイティー・ファイブと、ハンドレッドを訳さずに言っています。ブリティッシュでは必ず、ハンドレッド・エンド~となります。
You know, that’s nearly an 80-pound reduction over Sportsters of today.
それは新スポーツスターに対して80パウンドもの削減になっています。
Pull it up off the kickstand, you’ll feel how light this is.
キックスタンドを上げれば、それがどれだけ軽いか感じるでしょう。
And as you ride down the road, the handling that comes with it.
道に出ると、そのハンドリングの良さにも影響があることに気がつきます。
Those two come together and they really make for a rocketship of a motorcycle once you throw your leg over this.
その二つが一緒になり、またぐだけでそれがバイクのロケットシップとなるのです。
And one of the biggest challenges with Nightster was trying to cram this beast of an engine and fitting that into something that’s recognizably Sportster, that has that iconic silhouette and that millions of people around the world are familiar with and know and love.
また、ナイトスターの大きな挑戦の一つは、野獣のようなエンジンとアイコニックなシルエットで世界中の人がよく知り、愛するスポーツスターとして明らかな何かにフィットさせ、詰め込むというものです。
前に出てきた関係代名詞の文よりもさらに高難度です。
最初にまず、
something that’s recognizably Sportster
が出てきますが、Sportsterにもう一度thatをかけます。
しかも同格で2つ。
最初が
that has that iconic silhouette
二つ目が
that millions of people around the world are familiar with and know and love.
です。
自分が使うときのことを想像して、この文と付き合ってみてください。
That’s probably one of the biggest points of tension in the project is how do you solve that combination of fuel, air volume, running into that proportion and silhouette that people expect?
おそらく、プロジェクトの最大の緊張ポイントの一つは、どのようにして、フュエルとエア・ボリュームなどのコンビネーションを、人々が期待するプロポーションとシルエットに流し込むかということです。
And then in the end, the dual outboard shocks and the architecture of the motorcycle allowed a really radical solution to put the fuel underneath the seat.
それで結局、デュアル・アウトボード・ショック(リアサスペンション)とモーターサイクルの構造から、シートの下にフュエルタンクを置くというラディカルな解決方法を可能にしました。
アメリカ英語の特長として、put the はプッダーという発音になります。
And that frees up the area that would traditionally be the fuel tank up here to become only air box and it allowed us to get this into the size of the old Sportster fuel tank.
それは伝統的なタンクの場所をエアボックスのみにすることで、昔のスポーツスターのフュエルタンクのようなサイズにすることができました。
前半の部分。
that frees up the area that would traditionally be the fuel tank up here to become only air box
これも、文章ならともかく、口語でこういう言い方が出てくるかなあと思いませんか?
That frees up は~を自由にする。で、the areaをフリーにします。
エリアは、伝統的にタンクがあった場所のことです。
最後の
to become only air box
は、「エアボックスのみにすることで」となります。
There are other benefits that we get from that, too.
そこから得る恩恵はまだある。
When we move the fuel tank underneath the seat here, the center of gravity of the bike stays low, which actually helps to make this bike feel even lighter and more maneuverable.
シートの下に移動したことで、重心を低くステイさせることができて、より軽く、機動性を感じることができるようになったからだ。
ここのwhichの使い方は、 the center of gravity of the bike stays low, をひとまとめにしています。
「バイクの重心を低く保つ」ことが、実際に○○を助ける。という文になります。
何かを言ったあとに、whichを主語にして繋げることができるかどうかです。
以上ですが、自分が普段使っている英語と比べていかがだったでしょうか。普段なら分けて、もっとわかりやすくいいそうなところを、ネイティブは特有の表現で話していることがわかると思います。