リスニングはリズムを合わせる 前編
英語を勉強していて、一人で練習しているとだんだん上手くなっている感じがするとして、いざネイ …
表
真似するように聴く→感情の部分を真似する→ミラーニューロンへの刺激
→意味に惑わされず、音を素直に聴ける→音から覚える→感情を表現するストレス、アクセントから覚える
母国語を覚える「方法」として提案する「話すように聴く」。極論としてこれだけしていればいいということだが、この「真似」という部分が、言葉の意味ではなくて「感情を真似する」ということだ。相手が話す音を、そのまま自分で、心の中で話すように真似をする。言葉を出すと聞けなくなるから、黙って聴く。これがポイントだ。
感情を真似することで、意味に惑わされず、訳さずに英語をありのままに聴くことができる。
また、感情を使うことでもうひとつメリットがある。感情を表現するためのストレス(溜め)、アクセントを中心に聴くことができるからだ。これは話すときに感情表現できるだけでなく、話しやすくなる、覚えやすくなるという利点がある。
子どもが保育園で何があったのか、日本語でも英語でもたずねるのだが、相変わらず説明が上手ではない。何が問題なのかと考えると、まず時間の整理ができていない。
「さっき」「きのう」「おひるのまえ」「ごご」といった概念も言い方も中途半端な状態だから、記憶もそこにセットできないし、話すときも順番通りじゃなかったりする。
そこに気づいて、順番通りに話すこと、「いつ」を明確にすることを伝えていたら、そのうち、
「いつ」「どこで」「だれが」「なにをした」をしっかり伝えてほしいと、娘に言っていた。
どこかで聞いたことのある方法だが、やはりこれが人に伝わりやすい説明の仕方だ。
「きのう」「高幡不動で」「みんなと」「たいやき食べたよね」
園で起こったことを聞くときに、
「かぶとむしごっこをしていて、仲間に入れてって言って、○○ちゃんが抜けてあげると言ってくれて、○○ちゃんも抜けてくれて、かぶとむしごっこしていたら、○○くんが…」
と説明をするとする。
大人としては、「いつ」「だれと」が抜けると、非常に想像しずらくなる。
「今日の午後に園の中で、AちゃんとBちゃんとCちゃんがかぶとむしごっこをしていて、私が仲間に入れてって言ったら、Aちゃんが抜けてあげると言ってくれて、そのあとにBちゃんも抜けてくれて、結局、AちゃんとCちゃんと三人でかぶとむしごっこをすることになって、そのときにBちゃんが…」
という感じでわかりやすくなるのだ。
長い10連休のGW初日、娘が風邪を引いた。さすがに明けの火曜日までに治ったが、鼻水は出ているので保育園(日本語)を休ませた。そうなると、近所の公園に英語のプレスクールの友達が遊びに来る。
10分ほど限定で遊ばせたが、ネイティブの子と私の話が盛り上がり(メリー・ポピンズの話)、少しオーバーしてから切り上げたのだが、やはり娘とネイティブの子に差があるなと感じた。
まず、関係代名詞thatの使い方がやはりうまいし、よく使う。something that ○○というやつで、娘もよく使うが、それ以上だ。
次に、話が終わらない。娘との会話だと終わることが多い。これは日本語でも同じだが、「説明不足」「聞き返さない」というのがあり、「相手がわからないという顔をしていたら、説明を加える」ということを日本語でも英語でも言っているが、なかなかそこは上達しない。「わかってよ!」みたいな顔をする。
「聞き返さない」は、英語でたとえばパスタを食べていて「おいしい?」と聞くと「うん」で終わる。そのときは、What about you? とか、And you? とか聞き返してと、6歳になってやっと私から注文を入れるようになった。
ネイティブの子たちは私がわからないというといろいろな方法で説明してくるし、質問もしてくる。
マシンガントークが続くのだ。
スピーキングにおいては、「東京の標準語に慣れた人は、英語の発音が苦手」というのが結論だ。
納得いかない人もいるかもしれないが、理由はある。
たとえば東京育ちの友人に、「大阪弁をまねてみて」と言っても、恥ずかしいと言う。
恥ずかしくない人もいる。でも、年を重ねるにつれてそういう心、方言を真似するのが恥ずかしいという思いが出てくる。
それは、「母音を伸ばすことが恥ずかしい」と同じ意味だ。
標準語は、子音+母音で発せられた言葉のあと、伸ばしたり変化させることがない。
「て」と言えば「て」で、「てえ」ではない。
当たり前だと思うかもしれないが、世界中にあふれる言葉は、ほとんどが「てえ」と言う。
つまり、母音を使うのだ。
子音と母音で発せられた言葉のあとに、伸ばすか、イントネーションを上げる、下げるということをする。
言葉だけで終わらないのだ。
まもなく6歳になる娘は、ようやく「書く」ことに興味が湧いてきたようだ。
友人の6歳の男の子が、想像で漢字を書くのが面白いというので、うちは想像で英語の言葉を書くというのをやってみた。ようやくフォーニックス(アルファベットを実際に言葉で使うときの読み方)で少し読めるようになってきたので、想像で書くのもできるはず…。
そうして娘が知っている言葉を書いてみると、こんな感じになる。
brd
hav
Bk
上から、バード(Bird)、ハブ(have)、ブック(book)で、ご覧の通り、読み方としてはそんなに間違っていない。
All of usは、al ob as。
では、正解を伝えるときに、「どうしてiがいるの?」となる。
iもeも、確かに発音しない。
私も気になったので、毎週一回のプレスクールで先生に聞いてみた。すると、それは「サイレントワード」だからだという。私が「発音したらビアードになるね」と言ったら先生も娘も大笑いしていた。
それにしても、英語を知って何十年も、そんなことは気にしたことがなかった。気にしている人もいるかもしれない。でも私はしなかった。
これは、日本人が漢字というものを使っているからだと思う。漢字にはまったく発音の要素、記号がなく、複数の読み方がある。なのに、一度覚えるとそれ以外に読めない気分になる。
韓国語のハングルとはまったく違うものだ。
英語も実は漢字に近い部分がある。アルファベットの読み方と、文字を読むときの読み方が違う。
しかも、それぞれに何通りもの読み方があり、研究者によるとoには8通りも読み方があるという。
Cの読み方を教えているときに、cakeはケイクと教えたあとに、callが出てくるとケイ~と読もうとする。
そもそもシーなんだから、シエイクか、シアルじゃないのかとも思う。
All of asも、fをブと発音するという不思議にようやく気づいた。普通によめばオフだから、obのほうが正しいはずだ。
子どもは最初、漢字のように読み方自体を覚えて、フォーニクッス読みをあまりやらないと聞いたことがある。
ABCは歌だと子どもはすぐに覚えるし(一つひとつ読んでというとわからなかったりする)、絵本も記憶してしまうので読めてるように錯覚するが、実際は読めていない。
ABCの読み方をいくらやっても、単語の読みは違うのだから難しいし、漢字のように覚えるしかない。
一語一語分解したフォーニックスは、なかなか覚えられない。
実はアメリカでも小学校高学年で「読み」ができない生徒がけっこういるらしいが、それは英語の複雑な事情によるものだ。フォニクスをやっても、chとかislandとか、highといったものが出てくるとお手上げなのだ。
漢字が得意な日本人はhighの発音がハイだと知るとそれ以外に読めなくなり、ghに対して疑問を抱かなくなるが、実際はhiの部分を発音しているだけだ。islandのsはもちろん発音しないし、chはなぜかチと読む。
だが、小学校で読めない子どもに、はっきりと発音しない部分を記号で示し、oo(伸ばす音)の発音はこうだと記号で書くと読めるようになるという。
haveのeも発音しないけど、それを記号で示せばいいのだ。
思い返せば、たしかに中学生の私はカタカナ発音の英語をアルファベットに当てはめて、漢字のように記憶していっただけで、フォーニックスなんてまったく意識しなかった。だからなにも疑問に思わなかった。
もしフォーニックス読みをしたら、疑問だらけになるのだ。
逆に、フォーニックスを知っていると自分の発音をもとに書けるものもある。
娘はAndは発音から書けたし、
Allgadrは間違っていたけど、alligatorという正解を教えると、こんな文を書いた。
Alligator went to the past.
wentのwとtheはヒントを与えたが、to も past も間違えずに書けたのだ。
過去に読んだことのない文字も、そうやって書けたりするのがフォーニックス。
読むときも一つひとつの文字をぎこちなく読んでいるが、それがフォーニックス。
漢字読みのほうがいいのではないかと思うときがある。それがフォーニックス。
ある日の朝、一緒にサイエンスの映像を見ていて、10-4=6という計算が出てきた。 4という …
インフルが園で流行っているので、娘を休ませている。
なので、妻の迎えには、家から娘と二人で行く。
車中、二人で話す機会が増え、先日はスーパーガールの説明を娘がひたすらしていた。
スーパーガールの弱点であるクリプトナイト(Kryptonite)が、クリプトマイトなのかクリプトンマイトなのかクリプトナイトなのか、説明しているうちにわからなくなっていたが、とにかくその話をするのが好きらしく、母親を迎えてからも、話が止むことはなかった。
いつもなら母親が来ると日本語モードになって甘えるのだが、この日はそっちのけでスーパーガール。
英語のマシンガントークに妻が入る余地はまったくなかった…。
車中の会話では、自分の知らない英語もでてくる。
グミは英語で「フルーツガム」だと認識していたが、娘は「この言い方知ってる? ガムドロップって言うんだよ」と言っていた。(実際そうらしい)
また、アルファベットのRについて話していると、Rから始まる単語を探して、オッテンとか、オッテンエッグとか言うので、スマホに向かって話してもらうと、
Rotten Egg
が出てきた。
これは、腐った卵という意味で、「嫌な奴」という意味もある。
あとは、「最後は鬼ねー!」みたいな意味で、
Last one in is a rotten egg
とも言う。
どこから覚えたかは知らないが、rottenが悪いという意味であることはよく知っているようだった。
年末、ショッピングモールに家族で出かけた。妻がお気に入りの店を物色している間、外で遊ぶことにした私と娘。
娘が言う。
ワイオーシーズゴーン、キャンウィプレイ?
後半は「遊べる?」という意味だが、前半の部分がよく意味がわからない。
私は、「ワイオー」って何だ? と娘に訊く。
すると、
ワイオー、シーズゴーン
と、もう一度同じことを言う。
いや、俺は「ワイオー」の部分が聞きたいんだと言っても、「ワイオーはワイオーだ」みたいな感じになる。
少し間を置いて、
While か!
と気がついた。
「ママが行っている間」という意味で、whileはカタカナ英語だとワイル。
私も恥ずかしながらワイルという発音で頭にあったため、娘の発音が理解できなかった。
正しい発音は、
ワイオー
Lはオーという発音になるし、私はあまりwhileを使わないので娘は私の駄目なwhileを引き継ぐことなく使っていた。
私はわからなかったことの言い訳に、
While she’s in the store, right?
と言ってしまったが、While she’s gone でまったく正しい…。
後日、betweenを使ってwhileの言い換えができると説明したが、betweenの意味を理解してくれなかった。